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【組合九州支部 最新施工事例のご紹介】
那覇空港国内線ターミナルビルへの施工

那覇空港全景・那覇空港ビルディング㈱会社概要より
那覇空港全景・那覇空港ビルディング㈱会社概要より

全アロン防水組合九州支部は、九州7県、及び沖縄県を活動地域としています。
温暖と思われがちな九州地方ですが、日本海の荒波を受ける福岡県、台風や豪雨が多い鹿児島県、山間部では雪の影響を受ける大分県、熊本県など、住んでみると思った以上に気候変動が激しく、夏は暑く、冬には寒いことに驚かされる方も多いかと思います。
また沿岸部では飛来塩分による塩害も多く、特に沖縄県は南北に細長く、地形的にも風通りが良く、塩害被害も多いところです。今回塩害防止機能や耐久性に優れたアロンウオールを施工した物件として、那覇空港国内線ターミナルビルをご紹介いたします。

那覇空港の沿革(那覇空港ビルディング㈱会社概要より抜粋)

昭和8年 旧日本軍によって「海軍小禄飛行場」として開設
(ターミナルビル滑走路側施工)
ターミナルビル滑走路側施工
昭和29年11月 那覇民間空港用ターミナルビルの供用開始
昭和34年4月 那覇空港ターミナルビル(旧国内線第2ターミナルビル)完成
昭和47年5月 本土復帰、運輸省所轄の「那覇空港」として運用開始
昭和61年3月 3,000m滑走路供用開始
平成11年5月 那覇空港国内線ターミナル
ビル供用開始(アロンウオー ル採用)
平成25年5月 那覇空港国内線ターミナル ビルリフレッシュ工事開始

建物概要平成27年11月現在 (那覇空港ビルディング㈱会社概要より抜粋)

延床面積 約85,816㎡
構造 RC造、一部PC造
メインビル 地上5階、地下1階

那覇空港の立地

那覇空港は、那覇市南西部の海側に位置し、交通の便も良く、国内外からの空の玄関口として年間約17百万人超の乗降客と約40万t超の貨物、約15万t超の郵便物を扱う沖縄県にとって重要な空港である。
また海岸部に設置された空港であり、塩害被害が懸念される建物でもある。

アロンウオールの経年調査

平成11年に開港した那覇空港国内線ターミナルビルには、耐久性や塩害防止機能に優れたアロンウオールで施工している。平成25年に始まったリフレッシュ工事においては、前年10月に経年調査及び塗膜採取を行い、約14年経過した塗膜や躯体の調査を行った。

試験項目 試験結果
外観 目視による外観 良好
仕上塗料 塗膜外観 光沢低下や白亜化が発生している
塗膜性能 付着性 付着強さ 良好 (0.5N/mm2以上)
防水性 ゼロスパンテンション伸び量 標準より低下 (1.5~1.9mm)
耐疲労性 標準より低下 (幅0.5mmのひび割れに追従可能)
躯体保護 水蒸気透過性 良好 (初期からほとんど変化なし)
遮塩性 良好 (初期からほとんど変化なし)
コンクリート躯体 鉄筋の状態 良好 (発錆は認められなかった)
中性化深さ 良好 (初期からほとんど変化なし)
塩化物イオン浸透量 良好 (施工後の浸透は認められなかった)
中性化の状況(手前が塗膜表面) 
中性化の状況(手前が塗膜表面)
鉄筋の状況
鉄筋の状況

調査結果のまとめ

約14年経過したアロンウオール塗膜としては、防水性や躯体保護機能は良好に維持しているものの、仕上塗料及び伸び性能の経年劣化が認められ、特に伸び性能については重塩害環境での許容ひび割れ幅(0.2mm)に近づいていた。
一方、コンクリート躯体としては、劣化外力が厳しい環境にありながらも新築当初と同じ良好な状態を保っていた。

アロンリフレッシュ工事

那覇空港全景・那覇空港ビルディング㈱会社概要よりアロンウオールは施工後約14年の長期にわたり建物を健全な状態に保持していると言える。しかし、劣化外力の厳しい沖縄県において、防水性や躯体保護機能の指標となるひび割れ追従性が低下していることから、アロンリフレッシュ工法を施工し、防水性や躯体保護機能を初期のレベルまで回復させた。
なおリフレッシュ時においては、既存のアロンウオール塗膜は撤去することなく、重ね塗りで施工している。

最後に

那覇空港は第2滑走路の建設も始まり、今後も発展を続けていくものと思われる。 塩害環境下にあるこのような重要建造物にアロンウオールが採用されていることは、工法の塩害防止機能などと共に、施工の品質管理体制が確立された信頼性によるものと考えています。
沖縄へ行かれる機会がありましたら、ぜひターミナルビルを見学いただければと思います。
それでは皆様沖縄で会いましょう! めんそーれ、沖縄。